
天王寺七坂の1つ「愛染坂」(写真左側)を上がると大江神社があります。
大江神社は勝鬘院(愛染さん)の隣にあり、聖徳太子によって建立された
四天王寺 七宮(上之宮・小儀・土塔・乾・河堀・堀越・久保)の1つで
天王寺北村の、産土神(うぶすながみ)で豊受大神を祭祀しています。
また、四天王寺の乾(いぬい =戌亥=西北)に位置していることから
江戸時代では「乾社」と呼ばれていたそうです。

私たちは、次の目的地があるので通り過ぎたのですが
本殿の左横を奥に進むと、狛犬ではなく「狛虎」があるそうです。
周囲には、メガホンなど阪神タイガースの応援グッズが沢山供えられ
優勝を祈願するお札があり、阪神タイガースの為にある神社のようだとか
阪神ファンなら、一度は行ってみたくなりますね。(^_^;)))
「狛虎」の由来などは、戦火によって全ての資料が燃えてしまい不明だとか、でも300年以上も前に作られたもので、正面奥の空き地部分に江戸時代に毘沙門堂があったと伝わっていることから、毘沙門天のお使いである虎を毘沙門天を護る為に「狛虎」として鎮座させたといわれています。
現存する狛虎は損傷が激しく、保管されているので見る事は出来ません。
私たちが目に出来る狛虎は、2003年と2011年に再建されたものだそうです。

上町台地の西端に沿う一帯は「夕陽ヶ丘」と呼ばれており、その昔、この台地のすぐそばまで海がせまり、西の海に夕日が沈み行き、茜色に染まる空の美しさにいつしか「夕陽ヶ丘」と呼ばれるようになったといわれています。

境内にある「夕陽丘」の碑

境内には俳句碑があり、芭蕉の句としても有名です。
句碑の四面の各面に、一句ずつ書かれています。
「あかあかと 日はつれなくも 秋の風 芭蕉」
現在の星光学園(大江神社の南側)のところに、浮瀬亭(うかぶせてい)という有名な料亭があって、松尾芭蕉も与謝蕪村も訪れていたと紹介したことがありますが、この大江神社は「愛染坂」を隔てているだけなので、芭蕉も訪れたのではないでしょうか。

大江神社境内の「百歳(ももとせ)の階段」
『この階段は百一段あり 人生の区切り百歳よりもう一歩
心も身体も健康でありますようにと 願いをこめて名付けられました。
一歩一歩踏みしめて 神様にお参りしましょう』 と書かれています。
天王寺七坂に入っていませんが、きっと夕陽が美しく見える階段ですね。