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兵庫県立美術館「世界遺産 ポンペイの壁画展」

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日伊国交樹立150周年記念 世界遺産 ポンペイの壁画展に行ってきました。


兵庫県立美術館 (10月22日 土曜日 


南イタリアのポンペイが、西暦79 年に街の北側にあるヴェスヴィオ火山の噴火で悲劇的な終焉を迎えました。1748 年から発掘が始まり、色鮮やかな壁画の数々が火山灰の乾燥剤に似た役割で奇跡的に保存されていました。

第Ⅰ章 建築と風景 第Ⅱ章 日常の生活 第Ⅲ章 神話 第Ⅳ章 神々と信仰


● 撮影可能の「第Ⅲ章 神話」画で、ポンペイの近郊で同じく世界遺産に
登録された、エルコナールのアウグステウムに飾られていました。


ゼウスの血を引く赤ん坊姿の英雄「蛇を絞め殺す赤ん坊のヘラクレス」

ヘラクレスの母親であるアルクメネと玉座に座る夫のアンフィットリオンが表されています。アルクメネとゼウスの神に嫉妬した女神ヘラは、アルクメネが生んだ双子を殺そうと、子供部屋に2匹の蛇を送りました。

ゼウスとの子である幼いヘラクレスは、2匹の蛇を両手に掴んで絞め殺し、自分が神の子であることをはっきりと示しています。対照的にアンフィットリオンとの間の息子である小さく弱々しいイフィクレスは、守役の力強い腕に抱かれています。


次は3枚並んでいました。(大きさが分かると思います。)


最も高貴な楽器の教授「ケイロンによるアキレウスの教育」

アキレウスに竪琴(キタラ)の弾き方を教える賢者ケイロンが描かれています。この堂々たる二人像のフレスコ画は「赤ん坊のテレフォスを発見するヘラクレス」とともにアウグステウムのエクセドラのひとつを装飾していました。

建築を背景にしたふたりの姿は、群像彫刻のような雰囲気を醸し出しています。ヘルメスが発明したキタラは、すべての楽器の中で最も高貴で難しく、重要なものとされていました。この絵は若者の教育というテーマのなかの一枚であり、青年期の者の学習の最終段階を表しています。


子供たちを生贄の恐怖から解放した「テセウスのミノタウロスの退治」

マントを身につけた裸体の若き英雄テセウスが、ミノタウロスを退治したことを感謝するアテネの少年少女たちに歓迎されているところです。半人半牛のミノタウロスは、テセウスの足下にたおれています。この絵も教育というテーマ、とくに大人の保護を必要とする少年少女時代の教育に関係していると考えられています。

アテネの建設者である英雄テセウスの姿は、アウグステウムの連作に登場するほかの英雄たちの姿、たとえばペルガモンの建設者テレフォスやエルコラーノの建設者ヘラクレスと関連づけられるのでしょう。


「赤ん坊のテレフォスを発見するヘラクレス」

重さ約500キロの堂々たるこの壁画には、英雄ヘラクレスの息子である赤ん坊のテレフォスが表されています。アルカディアの山に捨てられ、牝鹿の乳で育てられたテレフォスは、父ヘラクレスによって奇跡的に発見されました。

テレフォスはペルガモン建国の英雄で、ヘラクレスはエルコラーノを建設した英雄です。牝鹿に助けられたテレフォスは、狼に育てられたローマ建国者のロムルスとレムスを想起させられます。動物の乳を飲み、国の創設者となった子どもたちの神話を用いて、ローマの建国にペルガモンの伝説を重ね、権威を与えています。

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この「赤ん坊のテレフォスを発見するヘラクレス」は、1739年11月25日に発見されました。これがヨーロッパを出るのは初めてです。

撮影可能な日時:10月内の金曜日・土曜日 18時~20時まで
撮影可能エリア:第Ⅲ章「エルコラーノのアウグステウムの部屋」

エルコナールは、2010年3月4日にイタリア旅行で行ったところです。
その時のブログは こちら でご覧ください。

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