エドヴァルド・ムンク「叫び」 オスロ国立美術館蔵
(大塚国際美術館で撮った写真の一枚です。)
ムンクが描いた「叫び」は、5点以上の存在が確認され
最も一般的に目にする機会が多いのは、この油彩画です。
ノルウェー出身の画家ムンクを代表する「叫び」は、「ムンクの叫び」
として、日本では作品名のように言われて画面下部中央の人物の表情から
この人物が何か叫んでいる様子を描いているように思われていますが・・・
でも実際には、この「叫び」で描かれる人物が叫んでいるのではなくて
夕暮れ時に突然の幻聴・幻覚に遭遇した人物が恐怖を感じ手を耳に当て
懸命に不安と戦っている様子が・・・描かれているそうです。
その瞬間について下記のような、ムンクの日記が残されています。
「私は2人の友人と歩道を歩いていた。太陽は沈みかけていた。突然、空が
血の赤色に変わった。私は立ち止まり、酷い疲れを感じて柵に寄り掛かった。
それは炎の舌と血とが青黒いフィヨルドと町並みに被さるようであった。
友人は歩き続けたが、私はそこに立ち尽くしたまま不安に震え、戦っていた。
そして私は、自然を貫く果てしない叫びを聴いた。」
この幻覚・幻聴は、実際にムンクが体験したものだったのですね。